酒と友とそんな夜

だらだらと日常を過ごしているが、時間はとても早く過ぎて行く。体感と現実の不一致が、なんだかどこか浮遊しているような感覚で、後になって「あれは夢だったのかなぁ」と、思い返すようになるのかもしれない。

このところは友人達と頻繁にあって、あーでもない、こーでもないと不毛な論議に花を咲かせている。高尚な話から下ネタまで、気の知れた友人とは緩急の激しい話題の移り変わりもごく自然と楽しめるから良いよね。

みんな、何かを思って日々を過ごしている。流れている時間は同じでも、俺たちはそれぞれどこか違う道を歩いて進んでいる。

その時はファミレスでちまちま食べ物をつまみながら酒を飲んでた。みんなほろ酔い心地に気分よくなってきたところで、一人の友人……H条くんが今月結婚することを発表。おーついにか、仲間うちの誰かが結婚するような、そういう歳になったのか俺も。感慨深いなぁ、なんて思った。

H条くんとは小学校からの幼馴染みで、中学と高校も同じ。テレビゲームやカードゲームできゃっきゃはしゃいでた頃から高校という多感な時期まで、多くの時間を過ごした。そっか、おまえはもう家庭を持って、責任を背負って生きて行くのか。

この前まで同じ制服を俺たち着てたよな……遠くに行っちまうのかい? 

その顔は穏やかだが、どこか決意と希望にありふれているような、そんな顔だった。

彼に限らず、友達というのは近くにいるようで、やはり違う道を歩いている。

『目指すゴールは違くても、時々こうやって休憩所で馬鹿話しようぜ』

友人たちの顔をひとりひとり見つめながら、心の中でそう思って、俺は酒を飲み込んだ。